カラー剤は、1剤のアルカリ剤と染料、2剤の過酸化水素を混ぜることによって発色と脱色を行うものです。

この効果は美容室のカラー剤でも市販のカラー剤でも同じです。

では何が違うのでしょうか?

今回は、カラー剤について説明したいと思います。

薬の粘度

美容室は基本クリームタイプなのに対し、市販のカラー剤は、泡タイプ、乳液タイプ、液体タイプと様々なものがあります。

これは、作業のしやすさに関係していると思います。

市販のカラー剤は大体自分でカラーすることが多いと思いますが、クリームタイプなどの粘度があるものより、サラサラで粘度の少ないもの方が、自分でカラーをする時に髪につけやすく作業しやすいと思います。

しかし、サラサラなので垂れやすいので塗りわけや、根元だけを染めるのは難しくなります。

染める必要のない場所まで染めるので、余計にダメージが進んでしまします。

美容室の多くは、クリームタイプのカラー剤を使っています。

クリームタイプのように粘度のあるカラー剤は、垂れにくいので染めたい部分に的確につけることができます。

また、しっかり薬剤を付けられるので白髪の染まりも良いです。

アルカリ剤

アルカリ剤は、髪のキューティクルを開いて染料などを髪の中に入れやすくする働きや、脱色の手伝いをする効果があります。

とてもいやな臭いがします。

市販のカラー剤は臭わないのものもありますが、臭いを隠しているか、そもそも臭いがしない(揮発しない)ものと分かれます。

臭いのあるカラー剤は、カラーをしている時からアルカリが揮発し、髪から抜けていきます。

しかし、アルカリ剤が揮発しないものは髪の中に残ってしまいます。

アルカリ剤が髪の中に残ると、内部から髪にダメージを与えたり、色持ちにも影響してしまいます。

過酸化水素

過酸化水素は、髪に色を発色させたり、髪の色素を脱色する働きをします。

基本はカラー剤の1剤(染料とアルカリ)と2剤(過酸化水素)を1:1で混合して使用します。(一部カラー剤を除く)

すべてではありませんが、市販のカラー剤の中には混合比がが1:2(1剤:2剤)の商品もあります。

カラー剤の反応は、希望の色より少し明るいくらいまで脱色(アップ)して、色を入れることにより明るさを下げて(ダウン)、希望の色にします。

過酸化水素の割合が増えると単純に髪を明るくする力が増え、このアップダウンの幅が広がります。

アップダウンの幅が広がると、時間がたって染料が落ちて地毛の色(アンダーカラー)がでてきた時に通常のカラー剤で染めたときより、髪が明るくなってしまいます。

人は色の変化が大きいと色持ちが悪いと感じますので、市販カラー剤は色持ちが悪いといえます。

添加物

カラー剤には、髪を染める成分の他にも髪のコンディショニングを整える成分が入っています。

コンディショニングと言っても髪自体を健康にするのではなく、染め上がりの手触りや艶に影響します。

市販のカラー剤より美容室のカラー剤のほうが、コンディショニング剤がしっかり入っているので、手触りや艶が良く綺麗に仕上がります。

まとめ

美容室のカラー剤は、美容師がお客様の髪質に合わせて調合してカラーをしていますので、はっきりとした基準があります。

市販のカラー剤は、硬毛や多毛など染まりにくい髪質でもある程度の効果がでるように作られていると思います。

逆に言えば、髪質によって仕上がりに違いがでると思います。

ヘアケアの視点から見ると、できるだけカラーをする回数は少なくしたほうが髪への負担は少なくなります。

染め直しが少なく、色持ちのよいカラー剤が良いと思います。

髪のダメージが気になる方や、髪が弱い方は美容室でのカラーをおすすめします。

次は、カラー技術の違いを説明します。